昨日の自分は、たしかに最強だった。
友達と1年ぶりにバーンアウトシンドロームズのライブを見て、すごく楽しい気分になって、その高まったテンションのまま、普段の3倍くらいのペースで酒を飲んだのがどうも珍しく良い方向に作用した。普段ならハイペースに酒を飲むと先に「気持ち悪い」が来てしまう僕も、昨日ばかりは何か脳の快楽を司る回路に間違ってアルコールが流れ込んだのか、とても愉快な気分になった。ついに無敵を手に入れた。念願の。
目に映るすべてがおかしくて、ずっと笑っていた。恵比寿のきらびやかな街を、より光る方向を目指して闊歩する様子は、完全に虫だったけど、そんな自分の壊れ具合も愛しくなるぐらい、愉快だった。
「人生さいこう」
「毎日、このくらい楽しければいいのに」
「というか、毎日もっと楽しくしちゃえばいいじゃん」
およそ普段の自分からは想像できないような陽気な、強気な、挑戦的な発言が次々ととびだす。なんでもできる気がした。そんな勢いのまま、美味しいハンバーガーをたべた。濃厚なチーズと肉の暴力性は、幸福指数をいっそう高めた。負ける気がしなかった。
毎日こうならいいのに。
昼過ぎに目を覚まして、怠惰を重ねただけで気づくと窓の外が暗くなってるような、そんな日曜日。昨日の無敵感を再現しようとしてバーンアウトの音楽を流してから飲み干した安い酒にぜんぜん上手に酔えないような、そんな日曜日の夜を、怠惰な日々こそを、愛していきたい。
良い音楽を聴いて、ジャンクな美味いものをたべて、酔っぱらった勢いで思春期をこじらせたような恥ずかしい文章をしたためる。それくらいの幸せを繰り返していくような、怠惰な日々を。