マカロニえんぴつの新譜「ぼくらの涙なら空に埋めよう」収録のpooleが気持ち良すぎて無限に聴き続けてる。
奇抜なアクセントも、流行りの高音ボイスも、ゴリ押しのアップテンポも一切使ってないのに、シンプルにメロディの気持ち良さだけいくらでもリピートしたくなる時点で後世に残したい名曲of名曲。
それでもって歌詞が秀逸すぎる。
全体的に聴き手が自分自身に問いかけるような歌詞の構成になっていて、孤独と寄り添いながらひたむきに日々を生きる人間にグサグサに刺さる。
「いつもさりげなく気遣う、そんなあなたへ。」というCMのコンセプトとも合いすぎてとりあえず紅茶花伝を箱買いした。もう俺は午前午後問わず紅茶飲む。
なんつってもサビの「ゆっくりと上手に生きるむずかしさ」で首もげるほど頷いて「わかる〜〜〜〜〜〜！！！！」ってなるし、続く「会いたいぜ今あんたにできるだけすぐに」って早速ゆっくりと上手には生きれなさそうな未熟さにもう他人事とはとても思えない。
暗い話を笑ってするため、
ボクらは転んだり手を貸したりする
ここでゆっくりと上手に生きれない未熟さをポジティブに変換する絶妙なフォローがあるから、この曲はただグサグサ刺さって傷口に沁みるだけでは終わらず、孤独に浸れて気持ち良くなれるのだ。
そしてこの曲が本領を発揮するのが実は2番。
まず和洋交えて韻踏んだ上で歌詞を成立させるのが巧み過ぎる。
1番の「do you believe me?」に2番で「浮遊してる身」をあてて、「とりあえずwake up!」に「取り返す生活!」をあてるの、一見強引に韻踏んでるみたいだけど、曲の展開として筋が通ってるしこれ以上の正解はないような気がしてくるからすごい。
驚愕なのが1番サビで、
会いたいぜ今あんたに
の後が
できるだけすぐに
だったのが、2番サビで
できるならすぐに
に変わっているところ。たったこれだけの変化で聴いている側の“孤独へのぶん殴られ方”が大きく変わる。
1番の「できるだけすぐに」の方はCMタイアップの部分だけあってキャッチーで、「好きな人に今すぐ会いに行きたい」くらいのニュアンスで気持ちが逸ってる青臭い感じがよく出ているけど、2番の「できるならすぐに」の方は、なんなら「もう二度と会えないけど」くらいの憂いが一気に漂って、孤独感が膨れ上がり、ニシキヘビに締め上げられてんのかってくらい胸がぎゅっとなる。完全に拷問のたぐい。
そんな絶望的なほどの心情に落としておいて、終盤のセッションしてるみたいにメンバーが自由に音楽をかき鳴らしてるところで、孤独に対するマカロニえんぴつなりのカウンターを放ってるかのようで、心なしか頭のモヤが晴れていく。
そうやって自分なりの孤独への解を見つけていこうと、そんな気持ちになるのだ。
最後の「また嫌ったふりする」っていうのは孤独のことか、はたまたまだなかなかゆっくりと上手には生きれそうにない自分のことか、結局はそんなものたちを自分はどこか嫌いにはなりきれないんだろう。
ぼくらの涙なら空に埋めよう https://amzn.asia/d/4S3iFxb
