いつも何が流行ってるかが気になってしかたないくせに、ミーハーだとは思われたくない皆さん、今日も元気に古参アピールしてますか。最近勝手に思いついて勝手に腹が立った古参っぽい台詞は、「へぇ、この曲まだフェスでもやったりするんだ」です。いとです。健全に生きてます。
流行りものといえば、昨今のタピオカブームに対して、「タピオカね~俺たちが高校生の頃も流行ってたし今さら行列並ぶのもなんかね」とかのたまう20代半ばのやついるじゃないですか。そんなやつ見たことないって人いるかもしれないけど、ここにいるんですよ。僕です。斜にかまえてそういうこと言いたくなっちゃう病気なんです。え?こんな持病があっても入れる保険があるんですか?
まあ、いるんですよ。何かが流行ってると「流行りに安直に乗っからないおれかっこいい」みたいなスタンスの痛いやつ。
ちなみにいま流行ってるタピオカ、昔流行ったやつより食感も味も進化して、確実に美味しくなってるらしい。要するにタピオカに対して昔も流行った云々いってる僕ら、スマホみて、使いもせずに黒電話のこと思い出しながら「あったあった、おれらのときも。遠くの人と話せるやつでしょ?」とか言ってるような感じです。ダサすぎて笑っちゃうな。
そんな痛い人たち、どんな流行りものに対しても一定数存在していて、たぶん、こいつらにもいる。
そう。Official髭男dism。
ひげだん。売れてますよね。
このPretenderって曲、4月に解禁されてからYouTubeの再生回数も鬼のように伸び続け、いまや3000万回再生を超えている。そこらのバンドがあの手この手でバズろうと頭を悩まして一生を費やしても、累計ですら到達できるかあやしいような再生回数を3ヶ月で叩き出してることからも、まじで売れてることがわかる。
こんだけ売れてしまえば、当然、件のタピオカのごとく、小言を言いたがる輩が沸くのが世の道理。今日は頼まれてもないのにそいつらと勝手に闘っていきたい。
ちなみに僕の周りにひげだんの悪口を言ってる人は一人もいない。つまり今回相手にするのは空想上の、いや、妄想で勝手に産み出した、存在するかもわからないやつらであり、仮想の敵と勝手に口喧嘩するっていう不毛なことをしていきたい。
いや、ほんとに僕はなにやってるんだ。これを読んでる人たちも、そんな暇あったら海にいったり花火を観に行ったりした方がいい。夏はもう始まってるぞ。
よし、それじゃ"無い"街角の意見を紹介してそれに勝手に反論していくので、頭痛くなってもちゃんと付いてきてくださいね。
まずこれ。
「最近のバンドって、高い声で耳障りのいいことばっか言ってるのばっかだし、この人たちもそうなんでしょ?量産型なんじゃない?」
あー、なるほど。たしかにひげだんは高い声で耳障りのいいことばっか言うのは間違いない。
けど決して量産型なんかじゃない。そもそもあんな高音出る人間が量産されてたまるか。さっきのPretender聴くだけで一発でわかるけど、あのキーの高さのサビを安定して歌える藤原聡はバケモノ。カラオケで意気揚々と歌おうとして「あ、無理だ」ってなる男、バンドマン側にもいるでしょこれ。そんな歌いこなすだけでも難しい楽曲に、ちゃんと気持ちのせて歌ってる。やはりバケモノ。たぶんあいつ喉から生まれてる。
ちなみに最近はむしろ高音ボーカルの流行りはいったん落ち着いて、やたら赤裸々な歌詞を、地声に近い声で荒々しく唄う、音数の少ない、いわゆるマイヘアみたいなバンドが流行っていて、なんならその流行りも最近は落ち着いたとこだから、「ハイトーンボーカルが流行ってる」とか言っちゃうと流行りに付いていけてないことが一瞬でバレちゃうから気をつけて。
"耳障りのいい"っていうのもそのとおりで、というのもひげだんは韻の踏み方が異様に上手い。
Pretender、初撃から「ラブストーリー」「予想どおり」「アイムソーリー」「いつもどおり」と怒涛のコンボ決めてくる。そんなo-i連打されたらきっとマルイも「もうオイオイでいいです……」って泣きながら折れる。
この曲のサビとか、他の曲とかも聴いてもらえればわかるからあえて言わないが、こいつらはほんと隙あらば韻を踏む。そりゃ耳障りよくなるって。
そんで悔しいことに、音の響きだけじゃなくて歌詞がめちゃくちゃ良い。強がりと切なさのバランスが絶妙過ぎる。「すきだ」とは言わずに「きれいだ」を選ぶところ、小突きたくなっちゃう。
はい次。
「売れてるってことは所詮売れ線のJ-POPの曲ばっかりなんでしょ?」
うるせえおまえが普段ロックだと思って聴いてる音楽もだいだい売れたいけど売れてねぇだけのJ-POPじゃ。
と、切り捨ててしまうのは簡単だけど、とりあえず彼らの人気に火を着けたノーダウト、貼っときますね。
逆にこの曲、タイアップで使ってもらえるの不思議なくらい好き勝手やってません?
月9の主題歌っていったら邦楽十八番の歌謡曲しか提供しちゃいけないのかな……?って世のバンドマンは萎縮するところなのに、まるで洋楽に日本語のせたみたいな小粋なダンスミュージックで攻めてくるとは誰も思わないし、それでセールスを稼いでるのがやばい。たぶんこいつらめちゃくちゃ賢い。
アルバムとか聴いてもらえればわかるんだけど、ひげだんは本当に曲の幅が広い。ブラックミュージック的なところからの影響が大きいみたいだけど、どの曲もやりたいように好き放題やった上で、万人が聴きやすいようにキャッチーなメロディに落とし込んでるところが賢い。既存の"売れ線"に乗せるんじゃなくて、新規の"売れ線"を開拓してる。"やりたいことをやる"と"売れる"の両立を全く諦めてないし、なんなら成し遂げてる。起業した方がいい。
次。
「変なバンド名~!誰も髭生やしてないじゃん!」
それはまあ、そのとおりだよ。KingGnuに名前譲ってあげた方がいいよな。
最後。
「Pretenderがバズっただけの一発屋なんじゃないの?」
よし、聴け。新曲の宿命を聴け。今すぐ。
Pretenderっていう名曲があんだけヒットして次作へのプレッシャーも確実にあったはずなのに、全然別の系統で、自由に、かつ、こんな名曲産み出せるならもう本物でしょ、Official髭男dism。
そんな彼ら、10月にアルバムリリース、そしてホールツアーも控えてるみたいなので、気になる人は情報追っかけてみてくださいね。すでにライブのチケットとか簡単には取れなくなってきてるみたいなので。
いつ知っていつ好きになっても自信をもってファンと名乗っていいと思いますよ僕は。
では。