どうも。夏から秋への移り変わりにひりつくノスタルジックの中、いかがお過ごしですか。今日も安いコンビニのつまみとノイズまみれのうるさい音楽を肴に安い酒をあおっておりますでしょうか。
今日は、こんな無名ブログにたどり着くほど暇をもて余すような、たぶんスマホ片手にだらけきった生活を嗜んでるようなあなたにオススメのバンド、紹介しようかなと。酒を飲んでは人間らしい失敗を繰り返すあなたや、失敗を酒のせいにしてしまいたいだけのあなたにも、ぜひ聴いてほしい。そんなバンドです。
シベリアンフィッシュツリーといいます。名前からして良いですよね。語感が良い。読みたくなる。
ありがたいことにこの素人の暇潰しに長いこと付き合っていただいております各位には、一度このバンドについて引くくらいの熱量で、熱量そのものだけを語ってるような記事を読ませてしまったことがあるかもしれません。そこから一年近くたってしまったこともあるので、改めて熱量だけでも語り直したいなと思ってこれ書いてます。そうです。"追い熱量"です。胸焼けしてくださいどうぞ。
先日公開された彼らの新曲、「月の家」がとにかく名曲なので聴いてほしいです。
こうやって動画を貼ろうとも、再生までしてくれるような物好きはほんとにわずかだってわかってはいるんですけど、せっかくこんなところまでよく知らん人のブログを読みに来てくれてるんだから、ついでに良いもの聴いて帰ってほしいんです僕は。1分30秒を越えたあたりからの衝撃をあなたと分かち合いたいだけなんですほんとに。聴いて。
もう全員聴いてくれた前提で話進めるんで、聴いてない人は、あの「自分だけ観てない昨日やってたドラマの最新話の話で盛り上がってる居心地の悪さ」でも味わいながら読み進めてくださいね。
いろいろ語りたいことはあるんですけど、序盤、静かに染み込ませるように、落ち着いて聴かせておいて、そういうトーンで最後までいくのかなと思わせてからの、突然スイッチ入ったように気持ちよくなるサビ。ここでまず一度変な声でます。僕に言われるがまま、電車内とかでこの曲聴いて、気持ち悪い声だして車内で白い目で見られてしまった皆さん、わかりますよ。僕もやったので。仲間ほしかったんですよ。
さておきそこからの演奏シーン、シンプルにかっこよすぎません? にやにやしちゃいませんか。電車内でもう一段階やばい人になりますよね。これこそ愛されるべき唄で、この唄をひっさげて僕の街まできてくださいお願いしますってなっちゃいますよね、こんなの見せられたら誰でも。
そんな無茶苦茶な惹き込まれ方しちゃえば、そこからはほんとにあっという間。大サビ前の落とし方も絶妙で、さっきの衝撃があるからこそ、ラストへの期待感も高揚感もぐんぐん高まっちゃって、そんな高級ドッグフードを前にして「待て」をくらう犬っころ状態のところに、
「あーいされてるうたをーひっさげて(ドン!ドン!ドン!)つぎーの街へすすむー」の(ドン!ドン!ドン!)なんて浴びたらまた変な声が出ちゃうんですよ、ちょろいので。
しかもそれだけで終わらずに最後の最後にひっくり返していくようなひねくれ具合も、やっぱり彼らは一味違うなと思わせてくれる要因のひとつ。他にも何度でも聴き返したくなるようなギミックがふんだんに盛り込まれていて、ふと聴きたくなってしまう。アル中が酒に溺れるがごとく、何度も聴いてしまう。おそろしい。
それにしてもこのバンド、いっつも酒飲んでるんですよね。この曲でもいつの間にかハイボール飲んでるし。
ただ、酒にまみれるだけのそこらのバンドマンの歌詞かというとそういうわけでもない。宇宙規模の話と並列に酒が出てきたり、彼らの見てる独特な世界を表現するために、効果的に酒が表れている。酒の使い方がめちゃくちゃ上手い。たぶん一流のアル中。
そんな彼らが半年ほど前に出したミニアルバムのタイトルは「drink」。すぐ飲もうとするな。そんなアルバム一曲目のタイトルは「drunk」。だから飲むなって。
ほんとにこいつらは……と呆れ顔でそのアルバムを聴いてみれば、一瞬で耳に残る圧倒的なメロディの良さとずば抜けたワードセンスに手が震えちゃうような名盤だから困る。あ、僕はアル中じゃないです。
もうほんと「酔っ払って笑って3秒で抱きしめた」くなっちゃうし、「寂しいを理由にしてたい」だけなんだよ。わかるよ。最高なんだよ。このCDは通販サイトとかで買えちゃうから今すぐ買った方がいいんだよほんとに。
常套句を捧げて帰ると
夜になってた
酔えるようになってた
そういうあなたには、このアルバムに収録されているこの「走馬灯」という曲も聴いてほしい。
散々な日々に盃
どうでもいいと思う
散々な日々に盃
どうでもいいよ、もう
絶対どうでもいいとは思えてないような頭抱えてもがく姿が浮かぶこの歌詞、人間味を感じて僕はすごく好きなんですよね。
やっぱり彼らの音楽は、アルコールにしか頼れないのにアルコールには救えないようなところになぜかしっかりと手が届いてる。唯一酒の代わりになれる音楽。むしろこれは肝臓が弱くても飲める酒。耳でがぶがぶいける。
そんな音楽を産み出せるシベリアンフィッシュツリーってバンドは、どうしようもなく酒に、音楽に溺れてるんでしょうね。そこいらの酒好きアピールの激しい浮かれ大学生には出せない風格漂っちゃってる。これは本物の酒呑み。
どうですか。
酒に溺れるように聴いてみませんか、シベリアンフィッシュツリー。けっこう酔えますよ。
では。
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