いとの音楽ブログ

バンド紹介、ディスクレビューからセンチメンタルな独り言まで幅広く取り扱っております。どうぞごゆっくり。

オタクだからPEDROについて語ってたら早口になってしまった

 

    ごめんなさい。いつも音楽に関してはオタク丸出しの僕も、今回ばかりはまじのオタクです。普段から好きなバンドへの愛でいつも誰かをドン引きさせているところですが、舐めないでください。本気の僕はあんなもんじゃありません。いつものブログで「こいつやば……」って思ってるような人は引き返すか、まだ読んでない他の記事でも読んでてください。けっこうおもしろいらしいですよ。他の記事も。

 

    なんで今回のブログではこんな高圧的な書き出しをしているのかというと、PEDROというバンドの話をしたいからです。その因果関係は読んでるうちに察してください。

 

    PEDRO。

 

    純粋にインディーズバンドとかが好きな方々はむしろ聞いたことないかもしれません。実はこのバンドでベースボーカルをつとめるアユニ・Dという女の子、大人気アイドルBiSHのメンバー。つまりアイドルのソロプロジェクトとして結成されたバンド。どうですか。純粋なインディーズバンド界隈しか興味のない皆様方におかれましては、バックで蠢く金の匂いがアレルゲンとなって蕁麻疹が出てしまうことと存じます。

 

    でも、今日はそんな方々の想いとアレルギー体質は完っ全に無視して、ひたすらこのPEDROというバンド、ひいてはアユニ・Dという女の子の魅力について語っていきたいと、そういう記事です。冷静なオタクの孕む猟奇的な空気感もご一緒にどうぞ。もう始まってますよ。

 

    そもそもこのアユニ・Dという女の子、本物の才能の原石としてBiSHに加入してからというもの、少年のようなあどけなくも生意気な声質、その癖のある歌い回し、みやぞんばりにポテンシャルの高い運動能力を生かしたダンス、そしてオタクの心を鷲掴みにする陰キャ感だだ漏れのTwitterを武器に、ぐんぐんと人気を集めました。特にその歌唱力の上達は無視できないものになり、一気にBiSHでも中心メンバーとして活躍することになります。あとかわいい。このかわいさに目を向けると偏差値が2になるので気をつけて。うわ、かわいい。まぶし。尊い。しんど。

 

    そして、満を持してこのソロプロジェクトが解禁されたのは去年の9月。ミニアルバムのゲリラリリースとともに予告なく始動しました。既にソロリリースが決まっていたBiSHの他のメンバーのCDの発売日に被せてゲリラリリースという暴挙からして、話題性は十分。しかもゲリラライブの先行申込みシリアル封入。そんなあからさまなオタクホイホイ、引っかかるチョロいオタクいるかよ、と。悪態つきながら仕事終わりにタワレコ3件ハシゴしたのが僕。もう少し知性のある大人になりたかった。

 

    もともとバンド好きと並行してアユニ推しのドルオタもこじらせていた僕が、このPEDROというバンドの魅力に取り憑かれるのに時間はかかりませんでした。

 


https://youtu.be/o_3o7p78OOY

 

    ギターにあのナンバーガールの田渕ひさ子を迎え、ドラムに無名の大学生、推しのアイドルがほぼ素人のベースボーカルというなんともアンバランスなスリーピースバンド。作曲はBiSHの楽曲を手掛ける松隈ケンタ。作詞はアユニ・Dその人。BiSHの人気が爆発した時期にこんなんやらすとか、プロデューサーはアユニの才能から絞れるだけ絞り取ろうとしてるのがわかる。そしてその目論見はかなり成功してる。上手に沼に突き落とされた哀れなオタクがこちらに。見世物じゃねえぞ。おら。

 

    そんな経緯で準備の粗も目立った初ライブからおよそ1年。先月とうとうフルアルバム「THUMB SUCKER」のリリースとなった次第。

 


https://youtu.be/xPiYLlhht4o

 

    いや、成長曲線えげつないな。黒のスティングレイの似合う佇まいになりすぎ。

 

    たった1年でこんなにスタイル確立できるもんですかね。そりゃ優秀なプロデューサーが各方向からサポートしてるとはいえ、結局のところ前で唄うのはアユニ本人なわけで。その歌唱力も演奏も世界観も、彼女の実力と努力と才能抜きには語ることはできないと思います。きっとBiSHの活動もあって忙しい中、空き時間にこつこつべんべんベースを練習していたんだろうなーと、苦しそうにしながらもどこか楽しそうなアユニの姿を想像しつつ野菜を切ってたら、涙が止まらなくなりました。なんで……今日は玉ねぎ切ってないのに……。

 

 


https://youtu.be/e31aN1XSc7Q

 

    そうはいっても、MVだし演奏なんていくらでも取り繕えるでしょって声もあるだろうからライブ映像も貼りますけど、明らかに全てが上手くなってる。というか、天使か?    ああ、アユニか。失敬。曲もいいし、田渕ひさ子のギターは当然のように滅茶苦茶上手くてかっこいい。アユニが弾いてるっていう強調のためか、ベースの音が極大になってるのも、オタクの僕の耳には最高。肥えた上質な耳じゃなくてよかった。

 


https://youtu.be/949b4N1ohvw

 

"若さの無駄遣い 愛がない者は何しても駄目

 青春時代のノイズは切っても切れないのよ"

 

"地に足をつけて 置かれた場所で咲こうではないか

 夜更かしのお供の曲とベットに潜りこんだ"

 

"くすんだ石だって輝いて生きていたいんだな

 はじめから輝かせてよ 神様センスがないのね"

 

    アユニの書く歌詞も、すごく良い。刺々しさとか、擦れ具合とか、教室の隅でじっくりと磨かれてきたのがよくわかるワードセンス。これは他のキラキラしてきたアイドルには出せない個性。かといってアイドル戦争を勝ち抜くために苦し紛れに振りかざした色物のような個性ともまた違っていて、圧倒的に陰の者に受けるセンスを感じます。陰のカリスマ。尊敬する人物にインターネット界隈の有名人ARuFaを挙げちゃうようなこじらせたところも好感しかない。

 

    コミュニケーションは事務所とインターネット通してください、って感じでまったく人生に慣れてなさそうなしゃべり方も、同程度のコミュニケーションスキルしかないオタクの庇護欲を刺激して危ない。そんなオタク共から守ってあげたくなったもっとやばいオタクからすら守ってあげたくなりました。これもしかして自分がいちばんやばいオタクかもしれない。誰か殺してくれ。たのむ。

 

 

    リリースされた全ての曲の作詞に携わり、先ほどの「NIGHT NIGHT」や「おちこぼれブルース」をはじめ、今回のアルバム中の何曲かについては作曲にも絡んでいるとのこと。PEDROのライブでもアイドルというよりバンドマンの佇まいが板についてきたし、アイドルからアーティストへと確実に進化するアユニは、推しのアイドルという枠を越え、僕らのロックスターにすらなろうとしてる。もう「尊い。むり」とか言っちゃうのも失礼かもしれない。え、こんなに尊いのに。いや、尊い。むり。

 

 

    かつて、こんなに書き連ねた文章が早口だったことなかったかもしれません。限界オタクの狂乱にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

    では。

 

 

【メーカー特典あり】 THUMB SUCKER(初回生産限定盤)(2CD+Blu-ray付)【特典:PEDROオリジナル ステッカー付】

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