King Gnu、完全にもう売れましたよね。
少なくとも自分の認識では、去年の下半期頃にはもう売れたバンドの仲間入りを果たしていたような気がします。
去年からけっこうなキャパのライブもチケットが取れないと友人が嘆いていたし、さらにはバズリズムの「これがバズるぞ!2019」では1位に輝き、ドラマの主題歌にも起用され、この前とうとうMステ出演も果たした。巷では、 #日曜日だし邦ロック好きな人と繋がりたい のタグと共に、King Gnuの文字が書き込まれた画像を添付したツイートを曜日問わず発信していくことが流行りのバンドをおさえていますというクレジットになってるとの噂も聞いたり聞かなかったりする。これで売れてないって言ったら発狂したバンドマンが下北沢のライブハウスでデモを起こしてもおかしくない。
そんな、売れまくって勢いありあまるKing Gnuの記事を、今さらこんな底辺ブログが取り上げるのは愚の骨頂でしかないと思うんですよ。
そもそも、このブログで僕が取り上げたいと思うバンドって、「まだあまり知られてないから人に勧めたい」とか、「実はこういうバンドだって伝えたい」とか、そういうエゴ丸出しの動機が前提としてあって、その上で好き勝手わーわー中身のないことを書いてるわけで。
King Gnuに関しては、紹介する記事やらなんやらがもう死ぬほど溢れてて、やれ「ここが音楽的にすごい!」だの「他のバンドとはここが違う!」だの散々語られてしまったところで。そんな中、たとえば邦ロック好きを自称する方々に「キングヌーって知ってる?すごくかっこよくて~」と言い出してしまったら最後、「あーまだそこなんだ(笑)」と嘲笑されるか、あるいはヴィレヴァンの裏に呼び出されて袋叩きにされるに違いない。想像しただけで震える。
僕がKing Gnuを知ったのは上にある「Vinyl」という曲が公開されて話題になり始めた頃なんですけど、正直、あまり好きにはなれなかったです、僕は。そういう意味でもブログで取り上げたいとは思いませんでした。
好きになれない理由は単純で、かっこよすぎるから。
バズリズムじゃ「泥臭い」だのなんだの言われてたのも正直何言ってるかわかんなかったし、ハイセンスでどこをどうみても洒落ててかっこいい。常田さんの荒々しい声と井口さんの色気が湧き出てる声が最高のバランスでひとつのバンドに昇華されてて、とても自分が聴いていい音楽だなんて思えなかったんですよね。かっこよすぎて。
もっと未完成で、本当に泥臭くて、どこかダサくて、でも熱いものが込み上げてくるようなそういう昔ながらのロックバンドが好みの僕としては、彼らが売れるのは理解できても自分がハマるとは到底思えませんでした。好みじゃないわけだし。
1月に「Sympa」というニューアルバムがリリースされたけど、とりあえず一旦購入して聴き込んだ感想としては、音楽センスが溢れ過ぎてるし、アルバム全体の調和があまりにとれてて完璧だったので、あえて記事にしたいとも思わなかったです。言うことないし。
その上で最近は、井口さんの"ぶっとんでる感"もフィーチャーされてて、ツイッター上の変人ぶりなんかも話題に上ったりする。常田さんはイケメンすぎるし、バンドだけにとどまらず、その中の人間まで愛されている。名だたるアーティストもこぞって彼らを絶賛してる。
そんな彼らのことなんて絶対に記事にしてやるものか。好きじゃないし。
そう頑なにKing Gnuにハマることを拒んでいた自分だったのですが、ふと、少女マンガで身勝手な俺様イケメンに徐々に惹かれていくヒロインってたしかこうだったなと気づいたときにはもう手遅れだったんだと思います。僕の中のJKが、「あれ、あたし、King Gnuのこと、好きかもしれない……」とか言い出してストーリーが一気に動き出す予感がしてきました。気持ち悪いので打ち切りです。ありがとうございました。次回作にご期待ください。
新曲のMVも解禁されたしこの辺で。ほんとセンスどうなってんだこの人たち。皆さんも強がって全然好きじゃないって自分に言い聞かせたりしないで、素直になってみてくださいね。King Gnu、ぜひ。
では。